上司になった途端、「自分でやったほうが早い」「任せると仕事のクオリティが落ちる」と悩んでしまうことはありませんか?
山本渉さんの著書『任せるコツ』は、そんな悩みを持つリーダーやマネージャーのために、正しい仕事の任せ方を解説しています。
本記事では、書籍の内容を踏まえながら、上司が知っておくべき「任せるコツ」を具体例を交えて解説します。
書籍基本情報
- 作品名 :任せるコツ
- 著者 :山本渉
- 出版社 :すばる舎版社 :すばる舎
- 出版日 :2023年7月12日
- 頁数 :272ページ
- ジャンル:ビジネス・マネジメント
あらすじ
第1回日本ビジネス書新人賞「TSUTAYA賞」受賞作品
★令和時代のマネージャー・リーダーのための指南書!
★部下の育成に悩んでいる方・プレイングマネージャーも必読!「自分でやったほうが早い」「無責任」「仕事を押しつけている」といった理由で、部下に仕事を振らずに自分自身でこなしていませんか?
しかし、それは部下にとっても、リーダーである自分自身にとっても最大のパフォーマンスを発揮できない原因の一つです。著者自身が任せてこなかった失敗経験から、任せることの重要性と部下育成・成長、対応の仕方までをわかりやすく解説。
相手のことを考えた「正しい丸投げ」は、個人も組織も劇的に成長させることができるのです。Amazon.co.jpより引用
目次
PART1 ドラッカーが教えてくれない「丸投げ」の極意
第1章 「どう頼むか」にはコツがある
第2章 「誰に頼むか」ですべてが決まる
第3章 「丸投げ」の前後にあるもの
第4章 時代に合った任せ方
第5章 それでも「任せられない」人に
PART2 任せて伸ばす「丸受け」できる人材の育て方
第6章 育成の真髄
第7章 任せる技術は褒める技術
第8章 モチベーションの上げ方「4+1」
第9章 任せて最高の成果を出すために
主な内容とポイント

①なぜ「任せる」ことが重要なのか?
1.上司がすべてを抱え込むリスク
昇進して上司となったばかりの人は「部下に任せるより自分でやったほうが早い」と考えがちです。
しかし、それが続くと次のような問題が発生します。
- 業務過多で上司が疲弊する:本来やるべきマネジメント業務に手が回らない
- 部下が成長しない:部下に経験を積ませる機会を奪ってしまう
- チームの生産性が低下する:1人でこなせる仕事量には限界がある
2.「任せる」ことは「育てる」こと
著者は、「仕事を任せることが、部下の成長につながる」と説いています。
特に、部下が新しいスキルを身につける機会を提供することが、組織全体の成長にも直結します。
例えば、ある営業チームでは、リーダーが重要なプレゼンをすべて担当していました。
しかし、ある時リーダーが若手社員にプレゼンを任せたところ、初回こそ失敗があったものの、回を重ねるごとにスキルが向上し、最終的にはリーダーよりも成約率が高くなりました。
このように、任せることが結果的にチーム全体の力を底上げするのです。
②山本渉流「任せるコツ」
1.「丸投げ」ではなく「丸受け」させる
任せる際にやってはいけないのが、「指示だけして放置する」ことです。
著者は、部下がしっかりと仕事を「丸受け」できるよう、以下の手順を推奨しています。
- 目的を明確に伝える:「この仕事のゴールは〇〇だ」と意識させる
- 進め方のガイドラインを示す:「最初はこの手順で進めるといいよ」と指示
- フィードバックを行う:「ここは良かった」「ここは改善しよう」と定期的にチェック
例えば、新人社員に企画書の作成を任せる場合、単に「企画書を作って」と指示するのではなく、「この企画書は、クライアントに〇〇を提案するためのもの。〇〇のポイントを盛り込んで作成して」と伝えると、期待値が明確になります。
2. 「小さく任せる」ことから始める
いきなり大きな仕事を任せると、部下に過度なプレッシャーがかかります。
最初は、小さなタスクから任せるのがポイントです。
例えば、新しいプロジェクトを任せる際、
- 第一段階:リサーチや資料作成など、リスクの少ないタスクを任せる
- 第二段階:小規模なプレゼンや試作を担当させる
- 第三段階:メインの業務をリードさせる
こうして徐々に任せる範囲を広げることで、部下の成長を促せます。
3.失敗を許容し、学びの機会にする
部下が仕事を任された際、必ずしも完璧にこなせるとは限りません。
失敗を責めるのではなく、学びの機会として活かすことが重要です。
例えば、あるプロジェクトでミスが発生した場合、「なぜミスが起きたのか?」「次回はどうすれば防げるか?」を一緒に考えることで、部下の成長につながります。
まとめ

山本渉さんの『任せるコツ』では、「上司がすべてを抱え込むのではなく、適切に任せることがチームの成長につながる」と述べられています。
本記事のポイント
- 仕事を任せることで、上司の負担を軽減し、部下を成長させる
- 「丸投げ」ではなく、「丸受け」できるようにサポートする
- 小さなタスクから徐々に任せ、成功体験を積ませる
- 失敗を責めるのではなく、学びの機会とする
上司として「任せる力」を身につけることで、チームの生産性向上と成長につながります。
ぜひ、実践してみてください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また別の記事もお読みいただけると嬉しいです。
それでは。