部下がなかなか動いてくれない…
チームの雰囲気がよくならない…
リーダーとして何を話せばいいのか分からない…
こんな悩みを抱えるリーダーは少なくありません。
実は、これらの問題の多くは「話し方」を変えるだけで解決できるかもしれません。
今回は、森松茂久さんの『リーダーは話し方が9割』から学べる、リーダーシップを劇的に向上させる話し方のエッセンスをお伝えします。

書籍基本情報
- 作品名 :リーダーは話し方が9割
- 著者 :森松茂久
- 出版社 :すばる舎
- 発行日 :2022年12月12日
- 頁数 :240ページ
- ジャンル:ビジネス・経済
あらすじ
リーダーよ、話し方で悩むのはこれで終わりにしよう!――「大勢の前で話すのが苦手」「朝礼のときが憂鬱……」「リーダーシップをとってコミュニケーションを取るのは緊張する」というリーダーは多いものです。
でも、ちょっぴり、リーダーとしての「話し方のコツ」を押さえるだけで、部下・後輩・メンバーとのコミュニケーションが楽しくなり、リーダーとしてもうまくいくようになり、まわりから好かれ、尊敬されるようになります。
リーダーとしてのコミュニケーション力を磨けば、自分も部下・後輩・メンバーも安心できるチームをつくることができ、大勢の前で話すことがラクになり、仕事も人間関係も人生も、全部がよりよい方向に好転していきます!
上司、管理職、店長、親、先生、先輩、キャプテン、幹事――どんなリーダーにも役立ちます!Amazon.co.jpより引用
目次
第1章 なぜ、あのリーダーの話し方は人を動かすのか?
第2章 人をやる気にさせるリーダーの話し方
第3章 嫌われないリーダーの話し方
第4章 人前で緊張しない話し方
第5章 「あの人のためなら」と言われるリーダーの話し方
真のリーダーに必要なのは「話し方」
森松さんによれば、リーダーに最も必要な力は「人をやる気にさせ、能力を引き出す話し方」です。
つまり、すごい人や誰からも愛される人である必要はなく、メンバーと共に考え、部下の心に寄り添えるリーダーこそが求められているのです。
部下の「自己重要感」を高める話し方
本書の核心は「部下の自己重要感を高める」という考え方にあります。
自己重要感とは、自分は特別な存在だと感じる精神的充足感のことです。
フォーユートーク:相手を主役にする話し方
優秀なリーダーが実践している「フォーユートーク」のポイントは以下の通りです:
- 相手を主役にして話をする
- 相手に疎外感を与えない
- 相手の考えや気持ちをまず受け入れる
- 事前に相手の興味を知っておく
- 相手が未来の自分にワクワクできるように話す
- 「求められているもの」と「伝えたいこと」のバランスを取る
リーダーのための話し方3つのルール
1. わかりやすさを徹底する
「小学5年生に伝えるつもりで話す」という心構えが大切です。
相手の目線に合わせた言葉選びが、理解を深め行動を促します。
2. 声かけの基本を押さえる
声をかける場合は以下のことを意識すると、部下の自己重要感を高められます。
- 話す前に相手の名前を呼ぶ
- 主語を「I」ではなく「We」にする
- ひとりぼっちを作らないように話を振る
3. 部下の良いところを見つける習慣をつける
部下の良いところや感動したエピソードをメモしておき、適切なタイミングで紹介できるようにしましょう。
自分に注目が集まった時こそ、支えてくれた人たちのエピソードを話すのが上手なリーダーの特徴です。
効果的な伝え方のテクニック
間接的に伝える
直接言ったことは真剣に聞いてもらえないことが多いもの。
時には他の人の口を通して伝えるなど、間接的なアプローチも効果的です。
「伝えた」より「伝わった」にフォーカスする
「伝えた」と「伝わった」は全然違います。
きちんと伝わったかどうかを確認するために以下のことを実践しましょう。
- 理解した内容を部下に話させる
- 発表する場を準備する
- 教える立場を与えて、アウトプットさせ続ける
部下指導の秘訣
注意する時の話し方
部下に注意する際は、まず「話終わった後の部下の状態」を先に伝えましょう。
例
「あらたまって呼んで申し訳ない。今日は君に伝えたいことがあって時間を作ってもらった。この話が終わった後、おそらく君はもっと成長して、明るい気持ちで部屋を出ると思う。それが僕の願いなんだけど、話してもいいかな?」
このように切り出すことで、部下の緊張がやわらぎ、聞く姿勢ができます。
「なぜ」を繰り返し伝える
優秀なリーダーは目標ではなく、目的(なぜやるのか)を与えます。
「なぜ」が見えた時、はじめて人は動き出すのです。
魔法の言葉12選
部下の自己重要感を高めるリーダーが使っている言葉には、こんなものがあります。
適切な場面で使いわけましょう。
- うん、いいねえ
- 一緒に考えようか
- よくがんばったね
- 君ならできる
- 大丈夫
- なるほど、そんな考え方もあるんだね
- もう1つ違う方法もあるんじゃないかな
- 責任は取る
- 手伝えることがあったら言ってね
- あなたがいてくれてよかった
- よくやった!
- 君たちがいてくれるから、僕が負けるはずがない
話さない力を身につける
優秀なリーダーほど話さないものです。
部下が自ら考えて発言する環境を作るには、以下の4つを実践しましょう。
- 部下に質問する
- できる限り答えは言わない
- 失敗を許容する
- 成功は称賛し、失敗はさりげなくフォローする
人間関係を良好に保つ話し方
失敗談を楽しく語る
人が求めるのは成功談よりも失敗談です。
特に「ピンチからどう立ち上がったか」というストーリーには魅力があります。
自分の失敗から得た気づきと感謝を伝えましょう。
弱い立場の人を大切にする
一貫した態度で、どんな立場の人にも優しく話しかけるリーダーは信頼されます。
新入社員、清掃スタッフ、タクシー運転手など、普段声をかけられることが少ない人々への配慮が、真のリーダーシップを表します。
プレゼンテーションのコツ
簡潔に要点を伝える
台本通りに全部話そうとすると、ダラダラと話し過ぎて伝わらないものです。
そのため、以下の点をおさえておきましょう。
- 準備した内容の3割話せば十分、半分話せたら満点
- 台本を細かく作り過ぎない
- 「もっと聞きたい」というところで話を終える
聞いてくれている人にだけ話す
すべての人の反応を気にするのではなく、「なんとなくこの人は聞いてくれている」と感じる人だけに向けて話しましょう。
反応の良くない人を無視することで、自分の話し方が萎縮しません。
リーダーシップの本質
「愛」をベースにした話し方
最終的に、リーダーの話し方は「愛」か「おそれ」のどちらかに基づいています。
「嫌われたくない」という恐れではなく、相手の幸せを本気で願う「愛」をベースにした話し方が、真のリーダーシップを生み出します。
リーダーの存在意義
リーダーは上に立つ人ではなく、むしろチームの土台となる人です。
そのポジションを使って部下の自己重要感を高めることこそが、リーダーの本当の役割なのです。
まとめ

『リーダーは話し方が9割』が教えてくれるのは、リーダーシップの本質は権力や知識ではなく、人の心に響く「話し方」にあるということ。
部下の自己重要感を高める話し方を身につければ、チームのパフォーマンスは劇的に向上するでしょう。
あなたも今日から、この本から学んだ話し方を実践してみませんか?
きっと、リーダーとしての存在感が変わるはずです。
